2018.11.13 Tuesday
なぜスポーツがトップニュースなのか?
私が子どもの頃は、テレビや新聞が日常的に扱うスポーツと言えば「野球と相撲」ぐらいのものだったから、30分のニュース番組で例えるならせいぜい「終盤の5分程度」がスポーツコーナーとしてそれに当てられれば十分という認識だった様に思う。当時のスポーツがニュースの中でそういう位置付けだった理由は、おそらく「娯楽であり国民の生き死にや社会の安心安全に直接関係が無い」ということだったと思われる。これは逆に言えば、ニュース(=報道番組)とは「国民の生き死にや社会の安心安全に関わる日々の出来事」を過不足なく伝えることが目的という事になる。
翻って昨今は野球、サッカー、相撲に限らず、フィギュア、卓球、テニス、ゴルフ、陸上、水泳、バレー、ボクシング、柔道、スキージャンプ、カーリング・・等々(順不同)、多種多様なスポーツがニュース(やワイドショー)のトップを飾ることが珍しくも何ともなく、極めて日常的になっている。これは前述のニュースの目的から言えば、NHKを初めとするマスコミ各社が国民に対して「これは皆さんの死活問題よりも大事な今日一番の出来事です」と言っているに等しい。
もしこれが私自身も長年関わってきた(スポーツと同じくエンタメであるところの)音楽がこのような「おかしな扱い」をされたら、当然の如く強い違和感を禁じ得ないに違いない。これは決してスポーツや音楽を卑下するということではなく、単純にマスコミを通じて国民に提供される情報は「死活問題を優先にして欲しい」との思いからだ。(もちろんNHKやマスコミ各社が頑なにスポーツをトップニュースとする意図は判明しているが・・・)
少なくともこのように価値観の倒錯した世の中が、国民のためにならないことは事実だ。