血糖値の上昇や低下など、人間が体の「保護回路」からの警告を受けた場合、たいがいは自律神経経由で「不快感」として情報を受理します。しかし通常の場合、これらは即人間の活動を強制的にストップさせてしまうほど強烈なものでは有りません。むしろ「微かな感覚」から始まるのが普通なので、無視しようと思えば出来ない事は有りません。また、アルコールの大量摂取や解熱鎮痛、胃薬、酔い止め、眠気覚ましなど、不快感を抑えるための薬を服用する事で、「警告」そのものを完全に無視することも可能ですが、それが大変「危険な行為」である事はご理解頂ける事と思います。
このように人間は不思議な事に「健康維持」より優先すべき事があるようで、そのために「警告」が故意に無視される事は決して珍しいことでは有りません。そしてそのような傾向が習慣付けられる事によって、不幸にも体が発するアラームが殆ど意味を為さない体質へと変化して行くものと思われます。
もちろん健康でさえあれば良いという訳でない事は解ります。人間には生きる目的があって、そのために健康な体が必要となる訳ですから。しかし前述のように、敢えて健康を阻害するような目的や目標の持ち方、物事の優先順位に違和感を覚えるのは私だけではないと思えるのですが。